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エリザベス・テーラーと私(Gary Mauro)

初めてリズ(エリザベス・テーラー)と出会ったのは、当時私が住んでいたニュー・メキシコ州でのことでした。1970年代のことです。当時、ニュー・メキシコ州に在住していたアメリカ・インディアンで、偉大なアーティストでもあった故R・C・ゴーマンと私は、とても親しくしていました。

エリザベス・テーラー

とある日の昼下がり、ゴーマンが私に電話を掛けてきました。

「これから君の家に寄ってもいいかな?」

しばらくすると、ゴーマンが私の自宅にやってきました。
車を降りたゴーマンを出迎えた私は、ふと彼の車に視線を向けました。すると、人影が見えるではありませんか。

G.M   「誰か乗っているのかい?」
R.C.G 「エリザベス・テーラーだよ」
G.M   「!!」

これがリズと私の最初の出会いでした。

リズは、私が創った彼女の顔のバス・レリーフを、3枚共とても気に入ってくれました。ニュー・メキシコ州タオスに彼女の兄弟が住んでいたこともあって、リズはしばしばタオスを訪れていました。そして、私たちは彼女がタオスを訪れる度に、一緒に食事をするようになっていきました。

当時既に、リズは押しも押されもせぬ大女優で、何処にいても人目を引かずにはいられない華やかな人でしたが、見掛けによらず、とてもシャイなところがある人でした。彼女を、あるパーティにエスコートした時のことでした。大勢の人が集まっている部屋に入ろうとしたところ、人々の視線は、大スターの突然の出現に、自然と引き寄せられました。ところが、リズは私の後ろに隠れてしまい中々人前に出ないのです。「これほどの大女優でも、こんなに内気なのか!・・・」と、とても驚きましたね。でも、それも彼女の魅力の一つなのかもしれません。

こんなこともありました。リズがタオスに滞在していたある日、「航空券の予約を一日延ばす手配をしてくれない?!」と、私に頼んできたのです。「電話でさえ人見知りしちゃう?!」と思いつつも航空会社に電話を入れ、オペレーターに彼女の名前を告げると、予約変更の話は何処かにすっ飛んでしまい、「エリザベス・テーラーって、あのエリザベス・テーラーですか?!ちょっと話させて頂けませんか?」という話が延々繰り返されました。とても懐かしい思い出です。

リズは、とても親しい友人の一人で、私のアートを支援してくれている大切な顧客でもあります。絵やバス・レリーフ等、沢山の作品をコレクションしてくれています。スイスの別荘と、LAの自宅に所蔵してくれていると思いますよ。彼女のような素晴らしい方に、私のアートを楽しんで頂けるのは、とても光栄なことだと思っています。

インタビュー&テキスト 丸子あゆみ
Blog : http://ayuluna.seesaa.net

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